宮崎駿監督が原作や脚本も手がけた、スタジオジブリ作品『紅の豚』をご存知でしょうか?作中に登場する飛行艇は印象的で、モデルとなった実在機について気になっている人もいるようですね。
そこで今回は、『紅の豚』飛行機のモデルやキャラクターの愛機・あらすじなどを調査しましたのでご紹介していきます。
『紅の豚』飛行機は実在するの?
技術と職人魂への敬意が込められている『紅の豚』飛行機は、実在するのかについて探ってみましょう。
幻の飛行艇がモデルだった?
紅の豚に登場するポルコの深紅と、カーチスの紺の戦闘飛行艇は、ほんの一時期に限られた軍隊でのみ実在した機体がモデル。『宮崎駿全書』の中で監督は、本作に登場する戦闘飛行艇を「幻の戦闘機械」と位置づけています。
これらは陸上型ではなく、水上着陸専用で車輪がない戦闘用フライングボートで、使用されたのは第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての短期間。オーストリア=ハンガリー軍やイタリア軍など、ごく一部の軍隊でのみ採用された存在だったようです。
宮崎駿が描いた「失われた飛行艇」
本作において宮崎駿監督は、かつて「幻」とされていた飛行艇を物語の中で甦らせました。メカやガジェットが好きで知られる監督は、歴史的に広く語り継がれてきた有名な飛行艇ではなく、実在しながらも短期間で姿を消したモデルに着目したとされています。
オリジナルのように見えるポルコやカーチスの飛行艇ですが、実在した機体からアイデアを得たようです。
飛行艇と飛行機の違いは?
発着する場所が異なる、飛行艇と飛行機。『紅の豚』で主人公ポルコ・ロッソが操るのは、一般的な陸上飛行機ではなく、水面から離着陸できる飛行艇です。
通常の飛行機は車輪を備えて陸地での運用が前提ですが、飛行艇は水上に浮かぶ構造を持ち、機体の底が船のような形状になっています。海に囲まれたアドリア海を舞台とする『紅の豚』の世界観において、飛行艇は自由に空と海を行き来できる存在として、物語と深く結びついているのです。
『紅の豚』キャラクターの愛機は?
ジブリ作品『紅の豚』キャラクターの愛機について、1つずつ見ていきましょう。
ポルコの愛機について
物語の主人公である、ポルコ・ロッソの愛機について紹介します。
「サイボアS.21」とは?
“サボイア”というのはイタリアに実在したメーカーですが、ポルコの愛機“サボイアS-21試作戦闘飛行艇”は、宮崎駿監督が生み出した架空の飛行艇。シュナイダー・トロフィー・レースで活躍した飛行艇“マッキM.33”がモデルと言われています😮 #紅の豚 #サボイア #ポルコ #フィオ #kinro #秋のジブリ pic.twitter.com/7t2Hh6IKAa
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) November 2, 2018
ポルコが操る試作型の戦闘飛行艇「サイボアS.21」は深紅を基調とし、後部にイタリア国旗の三色があしらわれた機体。操縦難易度が極めて高く、「危険すぎて誰も乗れない」とされていたため、長期間にわたって倉庫で眠っていました。
ポルコはその飛行艇を買い取り、卓越した操縦技術で見事に乗りこなします。未完成の部分が多かったので「試作戦闘飛行艇」と呼ばれましたが、フィオが改修した後はイニシャルのFを末尾につけ、「サイボアS.21F」へと名称が変わりました。
愛機の名前の由来とモデル機は?
「サイボアS.21」はポルコの愛機であり、実在した飛行艇をもとに設定された架空の機体です。名前の由来となったのは、1921年のシュナイダーカップに出場予定だった「S.21(SIAI S.21)」。機体デザインのモデルは、イタリアのレーシング飛行艇「マッキ M.33」です。
「S.21(SIAI S.21)」は優勝候補として制作されましたが、当日にパイロットが病欠したため競技に出場できず、実力を発揮することなく姿を消したとされています。
マッキM.33と宮崎駿の記憶とは?
シュナイダーカップに出場した実在の飛行艇「マッキM.33」と、宮崎駿監督の幼少期の記憶が反映されたポルコの愛機のデザイン。「S.21(SIAI S.21)」が欠場した次々会の大会に登場したマッキM.33は、監督が子どもの頃に写真を見て強く心を動かされた機体でした。
当時は高出力エンジンを持たなかったイタリアですが、アメリカ製エンジンで高速度を実現したようです。
カーチスの愛機について
ポルコの愛機とは対照的な存在として物語に登場する、カーチスの愛機について見ていきましょう。
「カーチスR3C-0」とは?
ドナルド・カーチスの愛機であるカーチスR3C-0は、1925年のシュナイダーカップで優勝したカーチスR3C-2を改造したという設定。ポルコの話通り、カーチスは1923年と1925年に2回連続でシュナイダーカップで優勝している。#紅の豚 #金曜ロードショー pic.twitter.com/M2mcb1U8XY
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) November 11, 2016
ドナルド・カーチスが操る紺色の愛機「カーチスR3C-0」は、実在したレーシング飛行艇をもとに描かれた機体です。ポルコも腕前を認める最大のライバルであるカーチスは、飛行艇のことを「名声と金を運んでくる幸運のガラガラ蛇」と豪語しています。
『宮崎駿全書』によると、1925年のシュナイダーカップで優勝した「R3C-2」をドナルド・カーチスが購入し、独自に改造したという裏設定もあるそうです。
どんなモデル機だった?
愛機「カーチスR3C-0」は、1920年代に全米最大級の航空機メーカーだったカーチス飛行機&モータース社がレース用に開発した「R3C-2」がモデル。機体名はカーチスの自己愛からきたものではなく、実在したメーカー名に由来しているようです。
同社の創始者グレン・カーチスは、ライト兄弟の最大のライバルとして知られ、水上機開発の先駆者でもありました。
実際はポルコのモデル機に勝利?
1925年のシュナイダーカップでは、カーチスのモデル機がポルコのモデルとされる「マッキM.33」を上回る成績を残しています。『紅の豚』に登場するポルコのライバル「ドナルド・カーチス」は、カーチス飛行機&モータース社の創始者グレン・カーチスと重なって見える部分もあるようです。
本作のカーチスの愛機や人物設定は、実際の航空史と結びついており、物語に深みを与えています。
『紅の豚』あらすじを紹介!
物語の舞台は、1920年代のアドリア海。戦争の影が迫る中、空を舞台に空賊と賞金稼ぎたちが日々攻防を繰り広げています。その中で頭角を現していたのが、元イタリア空軍のエース・ポルコ・ロッソ。過去の出来事から自らを呪い、豚の姿となった彼は深紅の愛機に乗って自由気ままに空を駆け回ります。
ジーナ 紅の豚でポルコを想い続ける歌姫。彼女をはじめ、ポルコを取り巻く女性たちとの関係、空賊との決闘やライバル対決が描かれています。青空を自在に飛び回る深紅の愛機とともに、自由に生きた飛行艇乗りたちの物語です。
まとめ
今回の記事では、物語全体にレトロでノスタルジックな雰囲気の『紅の豚』飛行機のモデルを中心に、個性的なキャラクターの愛機・あらすじなどを紹介しました。
紅の豚に出てくる飛行艇は、実在する機体をモデルにデザインされたようですね。本記事のポルコとカーチスの愛機についても参考にし、本作の視聴を楽しみましょう!
